2014年度事業報告

事業4年目となる2014年度は、苗木の生育状況の調査、植樹候補地の調査及び現地の関係機関・団体との調整を行いました。その結果、一部の苗木については植える場所が決まりましたが、まだ場所が確定していない県もあるため植樹地探しを継続しています。

 そのほか、他の団体が主催する植樹活動への苗木の提供、関係団体への協力依頼などを行いました。またプロジェクトのウェブサイトでは、問い合わせへの対応のほか、参加者から寄せられたどんぐりの成長レポートを随時掲載し、プロジェクトに関する情報発信を行いました。

1 プロジェクトウェブサイトの運営

プロジェクトの目的や活動内容、進捗状況などを紹介する専用ウェブサイトの運営を行いました。問い合わせフォームを作成して、参加者や本事業に興味をもつ方々からの質問に対応しました。

 また、育苗者に対して、「どんぐり成長レポート」としてどんぐりが成長する様子の報告を募集し、それぞれの報告を随時ウェブサイトに掲載しました。

 ウェブサイトへの「どんぐり成長レポート」コーナーへの四半期毎の投稿数は以下の通りとなっています。(2015331日現在)

 

投稿数

2014年4月-6月

25

2014年7月-9月

7

2014年10月-12月

5

2015年1月-3月

3

合計

40

2 苗木の生育状況の調査

 2014年10月に、これまでに配布したどんぐりの生育状況について参加者に照会し、苗木の状態についてお知らせいただきました。現在育っている苗木の、採集地別、樹種別の本数と大きさは以下の通りです。

3 植樹候補地の調査

 福島県、岩手県で、プロジェクトで育てた苗木を植えられる可能性のある候補地を訪問し、現地の状況を視察するとともに、関係者に協力を依頼しました。

3-1 福島県いわき市

 20144月、福島県のいわき建設事務所を訪問しました。福島県では津波の被害を受けた沿岸部に防災緑地を整備する事業を開始しています。いわき建設事務所では、市内に7か所の防災緑地を整備する計画ですが、まだ堤防の工事が始まったばかりであり、盛土をして植樹できるようになるのはもっと先の話になるとのことでした。

 ただそのうちの1か所「久之浜地区防災緑地」において、同年3月に試験的にマツの植栽を行っており、その隣に常緑樹のどんぐりが育つかどうかを検証するために、プロジェクトDで育てた苗木を植えることに決定しました。

防災緑地に造成された堤防
防災緑地に造成された堤防
マツの試験植樹
マツの試験植樹

3-2 福島県郡山市

 林野庁福島森林管理署から、郡山市内の国有林における「ふれあいの森」制度を活用した森づくり活動のご提案をいただき、20149月に現地を訪問しました。

 郡山市中心部から車で40分ほど走った、平田村との境界付近で、元は採草地だった場所です。津波の被害を受けた場所ではありませんが、植樹後も自然体験プログラムなどを実施して福島の子どもたちに外で活動する機会を提供できること、国道からのアクセスもよいことなどから、本プロジェクトの植樹地として正式決定し、来年春の植樹に向けた準備を開始しました。

現地の様子(2014年9月)
現地の様子(2014年9月)
現地の様子(2014年11月)
現地の様子(2014年11月)

3-3 福島県南相馬市

 同じく20149月に、太陽光発電と植物工場からなる体験学習施設「南相馬ソーラー・アグリパーク」を訪問しました。同パークの敷地内で植樹を行った株式会社グレイスさんよりご紹介いただき、同パークでの今後の植樹活動に、本プロジェクトで育てた苗木を使っていただくよう依頼するためです。

 同パークでは、地元の子どもたちが「自ら考えて行動する力」を身につけ、復興を担う人材として成長していくことを目指して、小中学校の総合学習等の受け入れを行っています。被災地の子どもたちを応援するという本プロジェクトの趣旨にもご賛同いただき、パークを訪問してプログラムを体験した人たちに本プロジェクトで育てた苗木を植えてもらうことが決まりました。

植物工場のドーム(奥)
植物工場のドーム(奥)
体験用太陽光発電パネル
体験用太陽光発電パネル

3-4 岩手県大槌町

 2015221日に岩手県大槌町で開催された「岩手の海岸・緑の再生シンポジウム」に出席しました。パネリストの一人である「臼澤鹿子踊保存会」の方が地元大槌町で植樹活動をされているほか、釜石地方森林組合でも子どもたちの植林活動を企画しているということで、本プロジェクトで苗木を使ってもらうよう依頼したところ、検討していただけることになりました。

4 苗木保管場所の確保

 プロジェクトの開始から3年が経過し、初年度に送付したどんぐりが十分な大きさに成長する一方で、被災地では沿岸部の復興事業全体の進捗が遅れており、植栽場所の確保が難航しています。そこで、被災地の植樹場所が決まるまでの間、成長した苗木を一時的に保管する場所を確保するために、NPO法人とんぼエコオフィスさんが運営している「山武育苗センター」を訪問し、協力を依頼しました。

 とんぼエコオフィスさんは、NPO法人岩手県環境カウンセラー協議会さんとともに、被災地近辺で採取した挿し木や種子から苗木を育てる「東日本大震災緑化支援100万本植樹」の活動を行っています。千葉県山武市で利用されていなかったビニールハウスを借り上げて育苗用の苗床を整備し、ヤブツバキ、タブノキ、ムラサキシキブ、コナラ、クヌギなどの苗木を育てて、被災地に提供しています。本プロジェクトで育てた苗木の管理についても快くお引き受けいただきました。

 20151月から、一部の苗木を同センターでお預かりいただいています。植樹場所が決まったところから順次苗木を発送していくほか、「100万本植樹」が実施する植樹活動や苗木提供にもご活用いただく予定です。

育苗センターの施設
育苗センターの施設
センターで育てている苗木
センターで育てている苗木

5 被災地への苗木の植栽

 宮城県、福島県の2ヶ所に本プロジェクトで育てた苗木を提供し、苗木を育てた里親の方々や、地元の人たちとともに植樹活動を行いました。

5-1 宮城県名取市

植樹地の様子
植樹地の様子

2014522日、「国際生物多様性の日・グリーンウェイブ2014」の一環として、宮城県名取市にある台林国有林で開催された「東北復興・海岸林再生記念植樹祭2014(同時開催:「プロ野球の森in宮城・名取」制定記念植樹祭)において、本プロジェクトで育てた苗木が初めて実際に植樹されました。

 植樹予定の1,000本の大部分はクロマツであり、本プロジェクトからは内陸側に植えるコナラ100本を提供しました。佐賀県鳥栖市にある「駒鳥幼稚園」さんから、園児のみなさんが心を込めて育てた苗木を送っていただきました。東北から避難してきた園児がいたことも、プロジェクトに参加するきっかけになったそうです。被災地に届けられた苗木の箱には、大きな木とかわいらしいどんぐりの絵が描かれていました。

幼稚園から届いた苗木の箱
幼稚園から届いた苗木の箱
コナラの苗木
コナラの苗木

 植樹作業には、地元の森づくり団体のほか、宮城県農業高校野球部の生徒、宮城教育大学の学生のみなさんが参加し、1時間ちょっとで1,000本の苗木を植え終わりました。

作業の様子
作業の様子
植栽したコナラ
植栽したコナラ

5-2 福島県いわき市

2014615日、神奈川県の横浜市立永田台小学校の児童の代表5名のみなさんが、福島県いわき市の防災緑地に、自分たちが育てた苗木を植えました。いわき市で拾ったどんぐり(カシ類)だったので、まさに里帰りとなりました。

木を植える場所は、いわき市北東部に位置する久之浜地区の海岸です。10mを超える津波が押し寄せ、半数以上の建物が全壊する大きな被害が出ました。現在この地区では、津波から町を守るために海岸堤防と合わせて防災緑地を整備しており、どのような緑地にするかを住んでいる人たち自身が話し合いながら決めています。事業を進めている福島県いわき建設事務所さんのご協力で、本格的な植樹に入る前の試験的な位置づけで、本プロジェクトの苗木を使ってもらえることになりました。

 まず、永田台小学校の児童代表と先生から、久之浜地区の地区会長さん、いわき建設事務所の石倉係長に、苗木が贈呈されました。その後、樹木医の先生から植え方を教わり、作業に入ります。永田台小学校の子どもたちが5本の苗木をそれぞれ1本ずつ担当し、地域の人たちに手伝ってもらいながら植えていきました。

苗木の贈呈
苗木の贈呈
植樹作業の様子
植樹作業の様子

 最後に永田台小学校の子どもたちから、「3年前から、夏休みにも水やりをしたり、わらを敷いたりして、一生懸命世話をしてきました。苗木と別れるのは寂しいけれど、ここで大きく育ってほしいと思います。」という挨拶がありました。

6 他の団体への苗木の提供

 被災地で植樹や森づくりを行う組織・団体に本プロジェクトで育てた苗木を提供し、活動に役立てていただきました。

6-1 みどりの感謝祭

苗木の贈呈式
苗木の贈呈式

 2014510日、東京の日比谷公園で開催された「第24回森と花の祭典 みどりの感謝祭」の式典において、緑の少年団として活動している郡山市立開成小学校の児童のみなさんに、復興緑化用の苗木として本プロジェクトで育てたクヌギ・コナラの苗木を贈呈しました。

 贈呈した苗木を育てていただいたのはTOTO株式会社さんです。以前から地元のどんぐりを育てる活動をされており、本プロジェクトの趣旨にもご賛同いただいて、全国各地の工場や事業所が苗木の里親としてご参加されています。式典では、東京・千葉・香川などで育てていただいたクヌギ・コナラ合わせて35本のうち2本が、参議院議長から児童代表2名に手渡されました。

6-2 土湯温泉

 2014525日、福島市の「道の駅つちゆ」に隣接する「きぼっこの森」で「土湯の森・音楽祭」が開催されました。プログラムの一つとして実施された記念植樹に、埼玉県秩父農工科学高校のみなさんが育てたクヌギ5本を提供しました。

音楽祭
音楽祭
記念植樹
記念植樹

7 事業の広報

■ウェブサイト等を通じた情報発信

 事業の概要、イベントの告知や実施報告、参加者からの成長レポートの常時発信に加え、参加団体が実施する活動等の様子を広くアピールしました。更に、プロジェクトのアカウントによりツイッター及びフェイスブックページを開設し、ウェブサイトと連動したリアルタイムな運営を行っています。

 ■環境関連イベントとの連携

6-1に記載したイベント「みどりの感謝祭」において、「生物多様性と子どもの森キャンペーン実行委員会」の一員としてブース出展し、どんぐりで作るコマや笛などの工作プログラムを実施しました。また、国土緑化推進機構の「海岸防災林再生等復興支援事業」のコーナーにパネルを展示しました。

 12月に開催された「エコプロダクツ2014」の企画展示「森林からはじまるエコライフ展」では、パネルを展示したほか、来場者向けにどんぐりを使った工作プログラムを提供し、事業の紹介及び広報を行いました。

エコプロダクツ2014でのブース出展
エコプロダクツ2014でのブース出展

 また、20141110日(月)に行われた林野庁主催の「東北復興 企業・NPO等の参加による『海岸防災林再生活動』説明会」(会場:大手町サンスカイルーム)2015220日(金)開催の「国連生物多様性の10年」中間年に向けたキックオフフォーラム」(会場:経団連ホール)において、プロジェクトの概要紹介パネルを展示し、広報及び植栽地確保に向けた現地団体等との情報交換を行いました。

新たに制作したパネル
新たに制作したパネル

8 次期活動計画

 2015年度より、福島県郡山市において、国有林の「ふれあいの森」制度を活用した森づくりがスタートします。福島県産のどんぐりから育てた苗木は、これから3年間をかけて主にこの場所に植えていきますが、その際里親になっていただいたみなさんや地元の子どもたちも参加できるイベントとして企画・実施する予定です。

 岩手・宮城の二県については、地元の自治体やNPO等との協議・調整を行いながら、なるべく早い時期に植栽地を決定し、植樹に向けた準備を進めてまいります。また引き続き情報発信を行い、希望する被災地の森づくり団体等に、プロジェクトで育てた苗木を提供していきます。

活動報告

投稿はこちらから

どんぐりの様子レポート」「被災地応援メッセージ」はこちらの投稿フォームからお送りください。

どんぐり成長レポート

プロジェクトDに参加していただいてる全国のみなさんから送られてきたレポートを一部ご紹介していきます。詳細>

2016年

8月

10日

大きくなったよ!(今川こども自然クラブ)

今川こども自然クラブ(静岡県)

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2016年

4月

26日

どんぐりをお返ししました(あしよくらぶ)

あしよくらぶ(愛知県名古屋市)

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2016年

4月

24日

どんぐりをお返ししました(KOUZUKI)

株式会社KOUZUKI(千葉県木更津市)

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2016年

4月

24日

どんぐりをお届けしました(BS横浜27団)

ボーイスカウト横浜27団(神奈川県横浜市)

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2016年

4月

21日

どんぐりをお返ししました(思いとどけ隊)

思いとどけ隊(山形県山形市)

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2015年

11月

24日

どんぐりをお返ししました(済美高校)

済美高校 食物科学コース(愛媛県松山市)

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2015年

6月

06日

植樹祭に参加しました(日東ベスト)

日東ベスト株式会社(山形県寒河江市)

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2015年

6月

01日

背丈がのびたよ!(済美高校)

済美高校(愛媛県松山市)

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2015年

5月

31日

苗木を届けました(BS横浜27団)

ボーイスカウト横浜27団(神奈川県横浜市)

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2015年

5月

31日

苗木を届けました(大沢中)

相模原市立大沢中学校緑化委員会+園芸部(神奈川県相模原市)

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本事業は平成24年度「緑の募金」(東日本大震災復興事業)の支援を受けて実施しています。

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