2015年度事業報告

事業5年目となる2015年度は、福島県で本格的な植樹を開始しました。また、宮城県・岩手県において植樹候補地の調査及び現地の関係機関・団体との調整を行い、宮城県の植樹地が決定しました。岩手県はまだ場所が確定していないため、引き続き現地関係機関・団体との調整を行っています。並行して、里親として苗木を育てている方々に対しては生育状況をお聞きして、十分な大きさに育った方には発送のご案内を差し上げました。

  そのほか、他の団体が主催する植樹活動への苗木の提供、関係団体への協力依頼などを行いました。またプロジェクトのウェブサイトでは、問い合わせへの対応のほか、参加者から寄せられたどんぐりの成長レポートを随時掲載し、プロジェクトに関する情報発信を行いました。

1 プロジェクトウェブサイトの運営

 

プロジェクトの目的や活動内容、進捗状況などを紹介する専用ウェブサイトの運営を行いました。植樹イベントの参加者募集や、イベントの報告を掲載し、事業の広報・情報発信に努めました。

 

 また、育苗者に対して、「どんぐり成長レポート」としてどんぐりが成長する様子の報告を募集し、それぞれの報告を随時ウェブサイトに掲載しました(2015年度のレポート投稿数は11件でした)。問い合わせフォームを用いた参加者や本事業に興味をもつ方々からの質問対応も継続し、双方向のコミュニケーション促進を図りました。

 

2 苗木の生育状況の調査

 2015年10月に、これまでに配布したどんぐりの生育状況について参加者に照会し、苗木の状態についてお知らせいただきました。現在育っている苗木の、採集地別、樹種別の本数と大きさは以下の通りです。

3 苗木発送の連絡

梱包・発送方法の案内
梱包・発送方法の案内

 2の生育状況調査において十分な大きさに育っていることが確認された里親の方々に対し、苗木発送のお願いをしました。依頼にあたっては梱包・発送方法のご案内を添付し、苗木という特殊なものを送る際の里親の不安・心配を解消するよう努めました。

 岩手県・宮城県産の苗木については、昨年度より苗木の受入・管理でご協力をいただいている「東日本大震災緑化支援100万本植樹」の山武育苗センターに、福島県産の苗木については、植樹を実施する福島県郡山市の国有林に近い、小野町の「緑とのふれあいの森公園」にお送りいただきました。20163月までに発送された産地別・樹種別の苗木本数は以下の通りです。

  クヌギ コナラ ミズナラ シラカシ等 合計
岩手県 117 682 799
宮城県 19 659 20 698
福島県 1,314 519  271  2,104

4 植樹候補地の調査・関係者との協議

 福島県、岩手県で、プロジェクトで育てた苗木を植えられる可能性のある候補地を訪問し、現地の状況を視察するとともに、関係者に協力を依頼しました。

4-1 福島県相馬市・新地町

 20155月、福島県の相双建設事務所を訪問しました。管内では現在、埒浜(新地町)、原釜(相馬市)2ヶ所の防災緑地の整備を進めています。平成29年度の完成を予定しており、本格的な植栽は平成28年度後半からということでしたが、数十本単位の試験的な植樹をそれぞれの場所で実施していただけることになりました。

造成工事中の原釜防災緑地(相馬市)
造成工事中の原釜防災緑地(相馬市)

4-2 福島県いわき市

 20159月、昨年度に続きいわき建設事務所を訪問しました。管内7ヶ所の防災緑地の事業概要及び進捗状況について説明を受けた後、そのうちの4ヶ所の事業地を視察しました。盛土の内陸側には広葉樹を中心に植栽することが決まったが、堤防の嵩上げ工事が終わっていない場所も多く、盛土をして植樹を始めるのは早くても2016年の秋になるとのことでした。

沼ノ内防災緑地
沼ノ内防災緑地
豊間防災緑地
豊間防災緑地

4-3 宮城県東松島市

 

 東北森林管理局宮城北部森林管理署が所管する、宮城県東松島市浜市地区の海岸防災林再生事業において、事業への参加を希望する民間団体を対象とした公募説明会及び現地案内会に参加しました。

 全体で14haの広大な敷地が、防風柵により10m×20mの小ブロックに区切られています。クロマツを中心に植栽する計画ですが、広葉樹の植栽実績・経験を有する「東日本大震災緑化支援100万本植樹」と共同で、コナラをはじめとする広葉樹を植栽することができる比較的内陸側の0.63haでの植樹活動を提案し、無事承認を受けました。20164月から森づくりを開始します。

事業地遠景
事業地遠景
小ブロック内の様子
小ブロック内の様子

4-4 岩手県釜石市

2019年ラグビーワールドカップの会場となるスタジアムの建設を計画中である釜石市を訪問し、本プロジェクトの概要を説明するとともに、スタジアム周辺や隣接する公園の緑化にプロジェクトで育てたどんぐりの苗木を植えさせてもらうよう依頼しました。

 同市には多くの苗木の寄付や提供の申し出が来ており、これから緑化委員会を開いて配分や調整を行うとのこと。本プロジェクトの苗木もその中に含めていただけることになりました。

 

釜石市中心部
釜石市中心部
鵜住居地区のスタジアム建設予定地
鵜住居地区のスタジアム建設予定地

5 被災地への苗木の植栽

5-1 福島県郡山市「プロジェクトD・福島ふれあいの森」

201541日、林野庁福島森林管理署と国有林の森林整備活動に関する協定を締結し、郡山市に「プロジェクトD・福島ふれあいの森」が誕生しました。66日と13日には福島森林管理署の冨永署長にもご出席いただき、この森での最初の活動となる植樹祭を開催しました。

 植樹祭には、苗木の里親になってくださった方々(静岡県から自家用車で苗木を持ち込んでくださった参加者もいらっしゃいました)、郡山市に隣接する小野町の家族連れなど2日間で66人が参加され、地元で森づくり活動をしている「特定非営利活動法人小野自然倶楽部」の指導を受けながら合計約1,000本の苗木を植えました。また、子どもたちを中心に「ふれあいの森」の看板を手作りし、現地に設置しました。


 1114日には、品川区立山中小学校の有志の方々8名が植樹を行いました。3年前、当時の3年生が本プロジェクトに参加し種まきをした苗木を、卒業する前に植えたいということで実現したものです。冷たい雨の中、6月に植えた後根付かなかったり枯れてしまったりしたところを補う形で、50本の苗木を植えていただきました。


【「プロジェクトD・福島ふれあいの森」に苗木をお送りいただいた里親のみなさま】

 

・住友ゴム工業()白河工場 ・秩父農工森林科学科 ・NPOASEAN地域生活文化協会

 

・中野区立西中野小学校PTA ・ボーイスカウト横浜27団 ・相模原市立大沢中学校

 

・愛星保育園 ・豊川市桜町みどりの少年団 ・NPO法人森づくり奈良クラブ ・樹冠ネットワーク

 

・広島市ネイチャーゲームの会 ・仕七川小緑の少年団 ・嶺北ECOFLUGELS

 

ほか個人・ご家族5

 

5-2 宮城県東松島市

2015411日、本プロジェクトで育てた苗木の一部を保管・管理していただいている「東日本大震災緑化支援100万本植樹」が実施する東松島市矢本地区の海岸防災林再生事業地で植樹活動を行いました。クロマツのほか、ヤマザクラ、ヤブツバキ、シラカシなどの常緑広葉樹が中心でしたが、本プロジェクトのクヌギも数十本植えました。

 10月には同じ場所を再訪し、生育状況を確認するとともに草刈りを行いました。強い風にさらされる厳しい条件にもかかわらず、植栽した苗木たちは概ね根付いて順調に育っていました。

植樹時の様子(4月)
植樹時の様子(4月)
クヌギの苗木(10月)
クヌギの苗木(10月)

5-3 福島県相馬市・新地町

 福島県相双建設事務所の防災緑地2ヶ所において、本格的な植栽に向けた試験として、本プロジェクトに参加されている三菱電機株式会社及び三菱電機労働組合が育てたコナラ・クヌギの苗木を植樹しました。新地町の埒浜地区には、2015630日に30本、相馬市の原釜地区には1122日に30本を、同社及び同労組の代表の方と一緒に植えました。うまく根付けば、来年度以降の植樹ではより多くの苗木を活用していただけます。

埒浜地区
埒浜地区
原釜地区
原釜地区

6 他の団体への苗木の提供

 被災地で植樹や森づくりを行う組織・団体に本プロジェクトで育てた苗木を提供し、活動に役立てていただきました。

6-1 南相馬ソーラー・アグリパーク

 福島県南相馬市にある太陽光発電所と植物工場を備えた体験学習施設「南相馬ソーラー・アグリパーク」に、本プロジェクトの苗木を提供しました。プロジェクトに参加されたTOTO株式会社が全国各地の事業所で育てたクヌギ・コナラ計75本を、2015417日、同施設を訪問した日立化成労働組合の21名の方々が植えてくださいました。


6-2 日本財団

 日本財団が宮城、岩手、福島の被災した神社で実施する「鎮守の森復活プロジェクト」に対し、宮城県産のコナラ・クヌギ100本を提供しました。苗木は、石巻市の五十鈴神社に植えられました。

7 広報・普及活動

SNSを通じた情報発信

 ウェブサイトのほか、ツイッター(@ProjectD10) 及びフェイスブックによるリアルタイムな情報発信も行っています。

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