2017年度事業報告
事業7年目となる2017年度は、岩手県北上市の三菱製紙株式会社社有地において、岩手県産のどんぐりから育てた苗木を植樹しました。福島県郡山市でも、前年に引き続き植樹イベントを開催しました。これで、プロジェクトで育てた全ての苗木の植栽が完了しました。また、苗木が元気に育つように、各地で下草刈り等の育林活動を行いました(8月:郡山市、9月:宮城県東松島市、北上市)。
プロジェクトのウェブサイトでは、植樹や下草刈りなどの活動の様子を紹介し、プロジェクトに関する情報発信を行いました。
https://www.project-donguri.com/2018/05/31/%E6%9D%B1%E6%9D%BE%E5%B3%B6%E5%B8%82-%E3%81%93%E3%81%A9%E3%82%82%E3%82%A8%E3%82%B3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%96%E3%81%AE%E6%A3%AE-%E3%81%A7%E4%B8%8B%E8%8D%89%E5%88%88%E3%82%8A%E3%82%92%E8%A1%8C%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F/
1 プロジェクトウェブサイトの運営
プロジェクトの目的や活動内容、進捗状況などを紹介する専用ウェブサイトの運営を行いました。植樹や下草刈りイベントの参加者募集、イベントの報告を掲載し、事業の広報・情報発信に努めました。


2 被災地への苗木の植栽
岩手県北上市、福島県郡山市の2ヶ所で植樹を行いました。これまで実施できていなかった岩手県での植樹が実現し、本プロジェクトで里親のみなさんが育ててくださった全ての苗木を被災地に植え戻すことができました。
2-1 岩手県北上市 三菱製紙株式会社社有地
三菱製紙株式会社様のご協力により植栽場所が決まった岩手県。5月28日、北上市にある工場近くの社有地で植樹を行いました。秋田県のこどもエコクラブ「マックスバリュ東北秋田イオンチアーズクラブ」は、岩手県で拾ったどんぐりから育てたコナラの苗木約30本を直接持参してくださいました。このほか、地元北上市の「イオン江釣子チアーズクラブ」、岩手県のこどもエコクラブのご担当者、三菱製紙の社員のご家族など総勢50名が参加しました。
参加者は、三菱製紙が行っている環境学習の取り組み「エコシステムアカデミー」のスタッフから植え方を教わり、約100本のコナラの苗木を次々に植えていきました。最後に、南側の日当たりのよい場所にグミ、ガマズミ、ナンテンなど、赤い実をつける木を植えました。この場所は誰でも訪れて自然に親しむことのできる憩いの場にしていく計画で、これらの実を好む野鳥がたくさん集まることをねらっています。




2-2 福島県郡山市「プロジェクトD・福島ふれあいの森」
4月29日、福島県郡山市の「プロジェクトD・福島ふれあいの森」において、苗木の里親の方や地元の大学の先生と学生さんたち約20人が参加し、今年度も植樹を行いました。森の管理をしてくださっている「特定非営利活動法人小野自然倶楽部」の指導を受けながら合計約200本の苗木を植えました。作業の後にはそれぞれが思いを込めた名札を作成し、現地の看板に設置しました。




3 育林作業(下草刈り)
これまでにプロジェクトで植樹を行った3県のフィールドで、苗木が大きく育つのを助けるために草刈りを行いました。
3-1 福島県郡山市「プロジェクトD・福島ふれあいの森」
8月26日、2015年に植樹を実施したフィールドで、苗木の周りの草を刈る活動を行いました。東京から苗木の里親のご家族、「品川区立山中小学校おやこエコクラブ」のサポーターの方が参加されたほか、地元郡山女子大学の先生方も駆けつけてくださいました。
植栽地の管理をしてくださっている「小野自然俱楽部」のスタッフに鎌の使い方の指導等を受けながら長く伸びた雑草を刈っていきます。苗木が大きくなった分(中には大人の背丈を超える大きさに育ったものもありました)雑草との見分けがつきやすくなり、昨年に比べると作業がしやすくなりました。来年からは草を刈る頻度を減らしてもよいかもしれない、といううれしい言葉もいただきました。




3-2 宮城県東松島市「こどもエコクラブの森」

2016年4月に植樹した東松島市の「こどもエコクラブの森」では、9月22日にスタッフによる草刈り作業を行いました。防風柵で囲まれた植栽地内には思ったよりも雑草が少なく、比較的楽な作業でした。クロマツは順調に育っており、コナラ・クヌギ・カシ類も7割程度は生き残っている一方、タブノキの生育が思わしくないようでした。
3-3 岩手県北上市 三菱製紙株式会社社有地
9月23日、5月に植樹を行った場所の下草刈りを行いました。植樹に参加した秋田県と地元北上市のこどもエコクラブのほか、同じく北上市のクラブ「黒沢尻北高等学校自然科学部」のみなさんが参加してくださいました。
夏に雨が多かったため雑草、特にクズが旺盛に繁茂しており、植えた苗木がどこにあるかもわからないほどでしたが、丁寧に草をかき分けて苗木を見つけ出し、まわりの草をきれいに刈り取っていきました。高校生のみなさんは、特にクズの生育が著しく、ほぼ一面覆われてしまっている南側のエリアを担当し、懸命にクズと格闘していました。




4 次期活動計画
今年度の活動で岩手県での植樹を実施し、プロジェクトで育てた全ての苗木を被災地に植え戻す作業が完了しました。今後は植えた苗木の成長を促し、豊かな森の育てるための保育作業(下草刈り、蔓切りなど)を中心に行っていきます。
こうした日常の手入れには、地元にいる方々の協力が欠かせません。植栽した苗木が無事に大きく育つまで活動にご参加いただけるボランティアを募集してまいりますので、引き続きご支援・ご協力を賜りますようお願いいたします。